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株式会社QioN

株式会社QioN

採択に向けて、応募申請時に工夫したことは何ですか?

代表取締役 平野 祥久 氏

弊社の場合、応募したのが会社設立前だったこともあり、まだ具体的な事業内容やビジネスモデルが固まっていない状態でした。しかし、私たちの技術でどのような社会を創りたいか、というビジョンは何年も前から描いていたので、その理想から逆算する形でプレゼンテーションすることを心がけました。

中身の細かさよりも、私たちがどのような社会課題と向き合い、私たちの事業が将来的にどのようなインパクトを生み出すのかをアピールできたことが、採択された要因のひとつだと思います。

ハンズオン支援で得られた具体的な成果を教えてください。

具体的な成果としては、大きく4つあります。

【会社設立】
専門機関を通じて税理士や社会保険労務士を紹介いただき、法人設立に伴う煩雑な手続きと研究開発を両立することができました。

【知財】
INPIT関西の紹介を通じて、事業の核となる知財の獲得に向けた道筋をつけることができました。競合する知財のリサーチから、獲得すべき知財の検討、弁理士の紹介など幅広く支援いただきました。さらに「IPランドスケープ支援事業」と知財アクセラレーション事業「IPAS」への申請も支援いただき、いずれも採択されました。これらのプログラムを通じて、さらに知財戦略をブラッシュアップしていく予定です。

【補助金】
NEDOをはじめ、いくつかの補助金申請をサポートいただきました。煩雑な申請作業へのサポートはもちろんですが、補助金ごとの目的や審査基準に適した申請をするためのメンタリングが非常に有益でした。

【パートナー企業とのPoC】
製品化に必要な基材の供給に向けて、化学メーカーとのPoCが決まりました。弊社のような設立直後のスタートアップでも、公的機関が仲介することで大企業との協業をスムーズに進めることができ、大変ありがたく感じています。

「起動」のプログラム全体への感想を教えてください。

スタートアップと一緒に手を動かして汗をかいてくれる点や、資金の自由度の高さなど、メリットの多いプログラムだと思います。メンタリングに関してもVCメンターと起業家メンターがいるので、両方の視点からアドバイスを受けることができ、多くの学びがあります。

また、大阪府が持つ関西のネットワークにアクセスできるのも大きなメリットです。関西経済同友会などの会合を通じて行政機関やローカルな潜在顧客とのネットワークを構築できることは、スタートアップとしての個性を作っていくうえでもプラスになると感じています。

さらには交流会などを通じて採択企業どうしのネットワーキングもサポートいただき、先輩起業家から資金調達のリアルなアドバイスをいただくなど、多くのメリットが生まれています。

応募を検討しているスタートアップへメッセージをお願いします。

特におすすめしたいのがアーリーステージのスタートアップです。会社の立ち上げ期には研究やプロダクト開発をしながら、労務や財務に必要な手続きも進めなければなりません。その部分を全方位的に支援してくれるので、創業前後の大変な時期をスピーディーに乗り超えられると思います。

担当コーディネーターより

同社は複数の要素技術を用いて、「“Mass-essentials”(生命に最も不可欠な物質)を全人類に届ける」をミッションとする研究開発型ベンチャーです。大変優れたチームと独自技術により、「2050年CO2排出ネットゼロ」へエネルギー製造・利用の在り方を根本的に変えることをめざされています。大きな社会的価値・事業性のある事業であると評価します。