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エルライ株式会社
エルライ株式会社

事業内容
- ガンマ線を捉えることができるカメラ「ETCC」の開発、提供
- https://www.errai.co.jp/
採択に向けて、応募申請時に工夫したことは何ですか?

弊社はガンマ線の可視化技術を社会実装するため2023年に設立し、起動の応募時はちょうど事業化の方向性が見え始めた時期でした。当時は原子力発電所での活用にフォーカスしていましたが、事業会社や投資家にあまり響いていない印象がありました。
そこで、起動の審査では原発に加えて「宇宙での資源探査」への活用をアピールするようにしました。「宇宙」という多くのプレーヤーが注目する分野への活用を盛り込んだことで、事業に対する期待度が上がったのではないかと思います。
ハンズオン支援で得られた具体的な成果を教えてください。
弊社の事業は設備開発に多額の費用がかかるため、まずは資金調達について重点的に相談しました。特に公的な補助金の獲得をめざしましたが、補助金にも多くの種類があるため全体像を把握するのは簡単ではありません。それらを網羅的に教えていただき、自社に適した補助金を知ることができたのは非常に助かりました。
加えてエクイティ調達も計画していたため、VCともマッチングしていただきました。VCと壁打ちする中で見えてきたのは、協業パートナーや見込み顧客となる企業との間でのMOU締結など、目に見える形での進展がないと資金調達の話も進みにくいことです。このように、事業化に必要なステップや段取りが具体化されたことも、起動の大きな成果だと思います。
他にも、大手電力会社の幹部とマッチングする場を設けていただいたり、医療系や損保系のパートナー企業様に提案の機会をいただいたりしたことで、将来的なビジネスチャンスの幅が広がりました。
「起動」のプログラム全体への感想を教えてください。
採択された当初は、2週間に1回の面談に対して「負担になるのでは?」という懸念を抱いていました。しかし、実際に始まってみると、自分たちが事業の進捗を把握する上でも、また課題をブレイクスルーする上でも、非常に有益であることがわかりました。ちょうど学術研究から社会実装への道を模索している時期だったので、なおさら有益な支援になったと思います。
応募を検討しているスタートアップへメッセージをお願いします。
起動のブランド力は非常に高く、以前はこちらからドアノックしてもつながるのが難しかった事業会社やVCから、待っていてもオファーが来るようになりました。また、プログラムに関わる人材の層が非常に厚く、経営上のどんな課題に対しても専門的な知見を持つ方がサポートしてくれます。
弊社も採択前と後で事業計画やプレゼンの質が大きく変わり、「スタートアップとして別次元に行けた」という実感があります。躊躇する理由はないと思いますので、可能性のある方はぜひ応募してください。
担当コーディネーターより
ガンマ線の完全可視化で社会の安全安心に貢献、これはエルライ社のミッションとなります。
同社は、120年以上にわたって「見えない」とされてきたガンマ線を、光学カメラで撮影するように捉えることができる、世界初のカメラ「ETCC」を開発・提供しています。この独自技術は、同社の事業の根幹をなす最大の強みです。
起動期間中、この技術をエネルギー分野、医療分野、宇宙分野での実用化を目指すために、奔走される吉田社長を傍で見てきました。
時にはロジカルに、時には泥臭く活動される吉田社長であれば必ずや、このETCC技術を多岐にわたる分野での活用を実現されると信じています。